FC2ブログ

89. 私変わった? 【就活おみくじ】

スライド89

 2013年のNHKのテレビドラマ「あまちゃん」のセリフです。一年住んだ東北沿岸の町、北三陸を出て一人で東京へ向かう高校生アキが、電車のホームで母親に聞きます。

アキ「ねえママ、私変わった?」
春子「え?」
アキ「1年前と、ずいぶん変わった?」
 (電車が動き出す。)
春子「変わってないよアキ!」
春子「昔も今も、アンタは、地味で暗くて・・・(中略)だけど・・・みんなに好かれた!ここで、みん~~なに好かれた」
アキ「うん!」
春子「アンタじゃなくてみんなが変わった! 自信持っていいよ、それは、すごい事だから!」
 
 主人公の成長が定番テーマの朝ドラですから、北三陸での一年間でアキが変わらなかったはずはないのですが、元ヤンキーの母親は素直に「変わったよ」とは言ってくれません。けれども春子はアキのいない場面で「東京にいる時とぜんぜん違う。明るいし、よく笑う」と認めていました。東京からやって来た父親の正宗も、「初めて見る娘の溌溂とした姿に、驚きを隠せません」、というナレーションもありました。アキは変わりました。でも自分が変わったかどうかは本人には案外わかりにくいものです。
 人は自分の事が一番見えにくい。だからアキは親に聞いてみたくなったのでしょう。一般的には家族よりも他人から言われて気がつくことが多いのですが。17歳のアキは自分はどんな人間なのかを知ろうとします。ここまでにアキはドラマの中で

 【海女 ⇒ 駅弁の売り子 ⇒ 潜水士 ⇒ 地元アイドル⇒ 海女カフェの接客】

と短期間で様々な体験をします。東京でのアキは存在感のない女子高生でした。アキが異なった環境(世話焼きでおせっかいな先輩海女やずっと一人で生きてきた祖母、美しい自然)に置かれて様々なチャレンジをするようになったのは、「自分は何者か?」への問いが心の中にあったのでしょう。
 
 実はアキは自分でも成長を感じ取っています。上京が確定的になった時、アキは海女クラブの先輩達に挨拶しています。
 
アキ「(前略)みんなありがどう、オラ。こごさ来て本っ当にいがった。北三陸で、袖ヶ浜で、みんなに会えで本っ当に良がった。みんなに可愛がられで、怒られで、もうオラ、昔のオラじゃねえ、(後略)」
 
 自分の置かれた環境でほめられたり、怒られたり。それは誰にでもある体験です。新人は新しい職場に馴染むように努力します。そうしているうちに徐々に変わっていきます。「変わる」ことは成長すること、と言っても良いと思います。仕事やコミュニティの中で様々な体験をすることで人は成長します。

 ただし、自分だけが変わって相手(環境)は変わらない、と考えるのは間違いです。先のセリフで春子が言ったように「みんなが変わった」ということも起こりえます。相手も自分と同じ様に学ぶ力があるからです。元気のいい新人や能力の高い中途採用の人が組織に加わることで周りがポジティブに影響を受けることもあるのです。自分も相手も変わる。押している人が実は押されてもいる。物理学で言えば作用と反作用の法則です。

スポンサーサイト

88. 頼ればいいのよ 【就活おみくじ】

スライド88

 「頼ればいいのよ、みんな暇でお節介なんだから」は2013年のNHKのテレビドラマ「あまちゃん」の中で主人公の母親の春子がママ友の足立よしえに言ったセリフです。脳梗塞で倒れた夫の看病に疲れ切った妻が地方の町から失踪する直前のシーンです。ずっと専業主婦で家族の事だけ考えて生きてきたと泣くよしえに、周りの人に助けを求めればいいじゃない、とアドバイスします。人に頼るのはよくない、というのは一般的には正しいのですが、非常事態では「助けて!」と叫んだって恥ではない、手遅れになるよりはいいのです。
  就活は孤独な戦いです。学校で仲が良くてもその友人と同じ会社を受ける人は殆どいないでしょう。選考結果が友情を台無しにしてしまうリスクがあります。友人が内定、自分が不採用だったら?あなたはひどく傷つくでしょう。逆だとしたら?とても気まずいでしょう。友達がエントリーするから私も、なんておかしいですよね。誰もが自分で応募先を決め、自己PRを考え、たった一人で面接に出かけなくてはなりません。会社を選ぶ時に親や友人に相談すると却って煩わしいことになる場合もあります。親は今の就職活動の方法も選考の難易度も、さらに言えば子供の能力も殆どわかっていません。殆どの親は聞こえの良い仕事や会社かどうかしか関心がないし、友人にとっても他人事なので無責任な発言が飛び出します。前向きな応援、「応募しなよ、何事もチャレンジ!」なんて言ったとしても友人は責任は持たないですから。

 就活は孤独な戦い、と言っておきながら「頼ればいい」というセリフを出すのは矛盾しているでしょうか。「頼る」とは自分の代りに会社を選んでもらうことや志望動機を考えてもらうことではありません。それはどうしても自分でやらなくてはならない。でも、一人で考えるのではなく一緒に考えてくれる人がいたらどうでしょうか?実はそういう「お節介な」サポーターが世の中にはいます。キャリアカウンセラーと言われている人たちです。家族や友人と違って客観的な助言を貰えます。多くの就活者をこれまで見てきているので、陥りやすい失敗もわかっています。場合によっては面接の練習相手になってくれ、自分では気づかない課題を指摘してくれます。多くの大学にはそうした支援体制がありますし、公共では若者ハローワークなどがサポーターとなってくれます。使えるリソースはなんでも使ってみましょう。

87. 諦める人間のおかげ 【就活おみくじ】

スライド87

  荒巻太一、通称太巻は芸能事務所の敏腕プロデューサーです。アイドルグループ全メンバーの人気投票、いわゆる総選挙を仕掛けて仲間同士を競わせます。2013年のNHKのテレビドラマ「あまちゃん」の中で主人公アキもその中に巻き込まれます。言うまでもなく実在のアイドルグループの恒例イベントをドラマに取り入れたものです。ある芸能評論家はこのアイドル総選挙を「公開処刑」という辛辣な表現をしていました。チームワークが大切な歌やダンスが陽の当たる側とすれば個人別の人気を数字で示すという陰の競争です。ドラマチックな悲喜劇をライブで見たがる残酷な人間心理が産んだ見世物と言ったら言い過ぎでしょうか。
 「あまちゃん」では40位以内に入れば残留、残りは解雇だと太巻が公言します。その総選挙で40位になったアイドルが「恋愛禁止」のルールを破って男性と付き合っていたことが発覚します。彼女が解雇なら一人が繰り上がる、つまり解雇されないですむ。40位と41位になったアイドルが「辞める」「辞めるな」と言い争います。そこへ太巻が現れて「だったら辞めなよガール」と言いい、続いて「諦める人間のおかげでスターにライトが当たるんです」と一言。アキは実は42位で解雇予定。もう一人誰かが落ちれば、とつい考えてしまいます。アキの様な明るくポジティブな主人公でさえ、解雇かどうかの瀬戸際になればネガティブな期待を抱くことだってある、ということでしょう。
 採用面接でも採用予定の人数以内に入れれば採用、そうでなければ不採用です。人気のある会社ほど内定を得るまでに時間がかかります。二次面接や適性検査などいくつものハードルが待っていて、その厳しさ、プレッシャーに心折れて途中で諦める人もいます。「選抜競争を諦める人間のおかげで」採用される人がいる、ということです。小学校の運動会で順位をつけない競走が良いとされ、幼稚園のお遊戯会で全員が白雪姫になることが公平とされても、社会人への入り口では弱肉強食の洗礼が待っています。若い時に負けてもくじけない心を作る場所がないのは人間の成長にとって本当に良いことなのでしょうか。
 

プロフィール
ようこそいらっしゃいました。 キャリアカウンセラーのマニーです。 このサイトでは主に「働くこと」について色々な観点から考えたいと思います。ご意見お待ちしています。

マニー

Author:マニー
今西穂高
埼玉県在住

Counter
リンク
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR