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5. ひよっこのキャリア&ライフ 第五週 乙女たち、ご安全に!

キャリアカウンセラーの観点でNHKの朝ドラ「ひよっこ」についてブログを書いています。今週のキーワードは「不器用」です。
先週のあらすじはこちら。
http://www.nhk.or.jp/hiyokko/story/05/

 希望通りの会社に採用され張り切って仕事を始めた所、失敗ばかり。もしかしたら自分はとんでもない勘違いをしていたのかな、できると思っていたのに全然ダメだ、どうして他の人はあんなにスイスイと仕事ができるのか、などと惨めな気持ちに襲われる。初仕事で一気に自信を無くしてしまうことは若い人にはしばしばあります。
 東京の製造工場でラジオの組み立ての仕事を始めたみね子は、組み立てラインを何度も止めてしまいます。みね子はベルトコンベヤーの速度に合わせて素早く正確に部品を挿さなくてはなりません。一人の失敗が全体に影響を及ぼすようなライン作業は初心者には大きな精神的プレッシャーとなります。余計なことを考えずひたすら作業に集中しなくてはなりません。
 このシーンを見ていて思い浮かんだのはチャップリンの映画「モダンタイムス」です。チャップリンが自動化された生産機械に合わせているうちに体の動きが機械のようになってしまい最後は精神を病んでしまいます。80年も前の映画ですが、その頃から既に人が機械に支配されることへの警告が上がっていました。その約50年後、SF映画「ターミネーター」では人工知能による人間支配が描かれていました。最近AI技術が注目を浴びていますが私たちの未来はどうなっていくのでしょうか。

 みね子は自分の不器用さに気落ちし、夢の中でも手が動いてラジオの組み立てをします。そしてある時、
「はぁ、なんか私、役に立ってねえどころか足引っ張ってんのに、申し訳なくて・・・」
とつぶやきます。自分の能力が他者よりも劣っていると気づくのは辛いものです。大丈夫、そのうちできるようになる、と先輩に励まされますがなかなか立ち直れません。自分はダメだ、と思い込むとその暗示にかかってしまい悪循環から抜け出せなくなります。頑張ろう、失敗しないように気をつけようと考えれば考えるほど体がこわばってしまいます。
 私自身も、子供の頃に逆上がりができなくて、体育の時間がとても憂鬱でした。何度やってもできない辛さ、恥ずかしさは今でも覚えています。何かの機会に突然逆上がりができるようになったのですが、そうなると何故あれほどできなかったのかが不思議に思えました。おそらく足の振り上げ方が全くダメだったのだろうと思いますが、体の動きは言葉や頭ではなく、やはり体が覚えてしまうしかないのでしょう。

 友人の時子はみね子を元気づけようとしますが、みね子の悩みは深刻です。
「でも、今は違うんだよ。仕事だからさ、できねぇー、苦手だぁ、へへへじゃ済まないんだよ。仕事失うわけにはいがないんだからさ。」
 会社の求める能力を満たせない場合、試用期間で解雇される。収入を断たれることは父親の代りに東京に出てきたみね子にとっては大問題です。労働法の観点では安易に解雇しないよう、採用した人には十分に研修を行い、不向きな職場ならば個人の特性を考えてより適切な職場へ配置換えするなどの企業側の努力を求めていますが、現実には自分に問題があると考えて短期間で退職願いを出す人もいます。
 みね子は就職して5日目の金曜日に初めてノーミスで一日の作業を終えます。みね子にとっての働く上での課題が一つ解決されました。みね子が父親を思ってつぶやきます。「働くって楽しいです。」仕事ができなかった時はみね子は「役に立っていない」と自分の存在価値を否定しますが、あきらめずに努力することで仕事ができるようになると「楽しい」と感じるように変わります。できなかったことができるようになること、それを周りの人が評価してくれること。これはどんな仕事でも大切な成長過程です。キャリアカウンセリング的な表現をすれば「自己効力感の獲得」と「帰属欲求の充足」です。

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ようこそいらっしゃいました。 キャリアカウンセラーのマニーです。 このサイトでは主に「働くこと」について色々な観点から考えたいと思います。ご意見お待ちしています。

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今西穂高
埼玉県在住

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