84. プライドあるから、このままじゃ終われないから! 【就活おみくじ】

歌手デビューを夢見て上京した天野春子。アルバイトをしながら機会を待っている時、声をかけてきたのは音楽事務所の太巻でした。タクシーでレコーディングスタジオに連れてゆかれ、売り出し中の女優の吹き替え役を頼まれます。極秘の約束で歌った「潮騒のメモリー」が大ヒットします。けれども覆面歌手を続けるかぎり自分の名前も顔も世に出せません。我慢できず太巻に同じ曲でデビューをさせて欲しい、と訴えますが、冷たく却下されます。「君にはプライドってものはないのか?」(2013年のNHKのテレビドラマ「あまちゃん」から)
どんな思いを持って働くのかはとても大切です。「生活のためであってそれ以外に理由はない」、と言う人もいるでしょうが、それだけで何十年も働き続けられる人はある意味「凄い人」かもしれません。一日の、そして人生の三分の一以上の時間を費やすからこそ人は働くことに意味を見出そうとします。昔話としてよく出される西洋の石切職人の話を知っていますか?
旅人が石切り職人に出会いました。石をハンマーで叩いています。旅人「こんな山の中で何をしているんですか?」職人「見りゃ分かるだろう、石を割ってんだ」旅人はさらに道を進むと別の石切り職人がいました。旅人「こんな山の中で何をしているんですか?」別の職人「ああ、これはね、教会を作るための石なんだ。完成はまだずっと先だけどね」
この石切り職人は完成された教会も建築中の教会を見ることも一生ないかもしれません。でも自分の仕事にやりがいを感じています。誇りを持っています。春子はいつか歌手として晴れ舞台に立つことを夢見て下積みを続けていました。大きな目標のために辛い役に耐えてきました。だからこそ、真剣に向き合ってくれない太巻に怒りを向けました。「プライドあるから、このままじゃ終われないから!今日までアンタの言うこと聞いたんです!」プライドを持って仕事をしている人は怒るべき時には怒っていい。そう思います。
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