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97. 変わらなくちゃいけねぇのは、お前のほうでねえの? 【就活おみくじ】

スライド97


 世の中で一番わからないのは自分自身のことだと言われます。自分とは何だろう、と考えすぎてしまう人は「自分探し」を始めます。自分が他の人とは違う何者かであること、それをアイデンティティと言います。一生を通じて変わらない、自分らしさとでもいうものです。誰もが自分のアイデンティティを大切にしています。(自分の事が嫌いだ、と言っている人も本当は自分を大切にしたいと思っているはずです)そのアイデンティティ、「自己同一性」が自分を生きづらくすることが時にはあります。世の中が変わる、住む場所が変わる、或いは職場が変わることで自分の生き方や考え方が摩擦を起こすことがあります。同じ会社に勤めていても勤務場所が変わったり、担当顧客が変わったりするだけで、それまでのやり方が通用しなくなることはけっこうあります。或いは上司が変わることでストレスが高まることも。

 2013年のNHKのテレビドラマ「あまちゃん」の主人公、アキの母親は娘を連れて24年振りに故郷へ帰ってきます。北三陸は春子に言わせれば何もない町です。田舎町だからすぐに噂が立つし人間関係が濃すぎて息苦しい。春子は戻ってきたものの落ち着ける場所がなくてパチンコ屋に入り浸り、母との仲直りもできず毎日毒を吐いています。でも娘のアキは自然が一杯あってあれこれとお節介をする人達がいるこの場所が大好きになります。東京では地味で暗くて存在感のなかったアキが新しい場所で周りに溶け込もうとしています。祖母・夏の素潜りを見て「私も海女さんやりたい!」とチャレンジします。そんなアキを見て夏は春子(自分の娘)に言います。「アキは今、自分で変わろうとしてっど。・・・変わらなくちゃいけねぇのは、むしろ春子、お前のほうでねえの?」

 東京に戻るか、このまま北三陸にとどまるかを迷っていた春子。実は東京にいる夫とは別れるつもりでいました。戻るに戻れない。その迷いを見抜いて放たれたのが夏の言葉です。
 アイデンティティとは「自分らしさ」ですから自分を変えようとしないのが普通です。だから人は相手に文句をいったり、命令やお願いをしたりして相手を変えよう、自分に従わせようとします。自分は正しいのだから変わる必要はない、変わるのは相手の方。誰もがみなそう考えようとします。何故ならこれまで作り上げてきた「自分」を変えるのはとても辛いから。しかも非常に多くのエネルギーが必要です。それに相手が変わらないのに自分の方が変わるのは負けたみたいで何だか悔しい、ということもあるでしょう。
 
 仏教の禅宗のある逸話を紹介します。昔、白隠という高名の禅僧がいました。その地方では誰からも尊敬されていました。ある時白隠が住んでいた村の若い娘が子供を産みます。子供の父親は誰だと親から詰問され娘は白隠だと言います。娘の父親は白隠の庵に踏み込んで「この好色な和尚め、お前の子供なのだからお前が育てろ」と言って赤ん坊を押しつけました。白隠は「ああ、そうか」と言って子供を受け取り、近所の女性にもらい乳をしながら育てました。ところがしばらくして娘の父親が青ざめてやってきて、「実は娘が嘘をついていたことがわかった。大変申し訳なかった、赤ん坊を返して欲しい」と言いました。すると白隠は「ああ、そうか」と言って子供を返してやりました。
 私の解釈ですが、誰が父親かなどこの赤ん坊の命と比べれば全然大したことではない、と白隠さんは考えたのではないでしょうか。ここまで自分を抑える(変える)のはそれこそ聖人でなければ無理だとしても、自己主張をしずぎずに大切な事を見失わない心、時には無理難題を言われたと感じても柔軟に対応できる心を持っていたいものです。
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ようこそいらっしゃいました。 キャリアカウンセラーのマニーです。 このサイトでは主に「働くこと」について色々な観点から考えたいと思います。ご意見お待ちしています。

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