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1. 去私対座 【去私対座】

去私対座1

 キャリアカウンセリングの現場でお話を伺っていると、どうしてそれ位の事で辞めたのか、とか自分ならそんな場合にこうしただろうに、などと様々な考えが頭に浮かんできませんか?そうした自分の考えに囚われて相談者をつい批判的に見ていると相手の大事な発言を聞き漏らし、的外れな就活プランを提案する、或いは無配慮な発言で相手の気持ちを損ねてしまう、などのリスクが生じます。或いはまた相談者の職歴が華々しいものだったり相当な高収入を得ていたことがわかったりする(自分より優れているなどと感じる)と、それほど有能なら自分で何とかすればいいじゃないか、と羨望や邪心が頭をよぎるかも知れません。実は、真摯な傾聴を妨げているのはあなた自身かもしれません。

 「あなたはいいね、話を聞いて意見を言うだけなんだから」などと相談者から言われることも時にはあります。「聴く」行為は傍目には簡単で気楽な作業に思われがちですが、キャリアカウンセリングの現場にいる人は「全然そうじゃない、とても疲れる仕事」だとわかっているでしょう。カウンセラー自身のストレスコントロールも大切な日常メンテナンスです。とは言え相手のお話を一生懸命伺って、受け止める。これがなければ相談者との信頼関係は築けません。そういった現場経験から、聞く姿勢の重要性を忘れないように努めなくては、と常々思っています。

 自分の心を真空状態にして、相手の思いや状況理解をていねいに吸い込んでゆく。「去私」は「則天去私」から借りました。夏目漱石による造語で、「天に則(のっと)り、我執を捨てて自然体で生きる」という漱石の晩年の哲学的境地を表しています。「対座」は茶道での学びから取り出しました。茶室においてはお互いが身分を忘れ、もてなし、もてなされ、相手を敬います。相手を下に見ることも上に見ることもなく対等の生(なま)の人間として向き合う。「去私対座」は私自身がこうありたい、と考えたカウンセリングの現場での姿勢です。自戒を込めて。

 


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マニーさん、こんにちは。

「なぜ、努力をしないのか?甘えているだけなのでは?」

CLのお話を伺いながら
「働くこと」に対する自身の価値観と照らし合わせて
知らず知らずのうちにジャッジしている…
以前の私はとても傲慢な相談をしていたと思います。

半年前に、自身の人生観が変わる経験をして
「人生では自分(努力)ではどうにもできないことが起こる」
ということを、身体と心で理解することが出来てから
私の相談スタイルは全く違うものになりました。

CLがかけがえのない人生を生きていることを尊重し
「働くこと」だけではなく「生きること」に
魂のレベルで共鳴していく。
相談というよりも、セッションという感じでしょうか…

「去私対座」

凛とした美しい言葉ですね。
大切に、心に刻ませて頂きます。
いつも本当にありがとうございます😊

コメントありがとうございます。

tamaさん

メッセージありがとうございます。

 私も相談の仕事を通じて相談者の言葉で気づかされることが多々あります。自分自身の世の中の見方を持っているからこそ日々の生活の中で物事を受け入れたり拒んだり、様々に選択しながら生きていけるわけですものね。それが「生きぬく自信」になっている。自尊心の源になっている。
 相手のためを思ってのアドバイスなのだけれど、どうしても自分の経験から、或いは価値基準から言いたくなってしまう。そう考えると相談というものは、tamaさんが書かれたようにセッションなのかもしれませんね。まるでジャズのインプロビゼーションのような。
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ようこそいらっしゃいました。 キャリアカウンセラーのマニーです。 このサイトでは主に「働くこと」について色々な観点から考えたいと思います。ご意見お待ちしています。

マニー

Author:マニー
今西穂高
埼玉県在住

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