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2. 希望・可能性を二人で信じる 【去私対座】

去私対座2

 相談者とお会いする時間の長さは私の場合一時間位です。繰り返し会えばそれが十時間、二十時間と増えていきます。一連の相談が終わり就職・転職が決まるまでは多い人で四、五十時間位でしょう。キャリアカウンセリングに於いて相談者の悩みや目標を伺っているとその方の人生が垣間見えてきます。それらの情報から就職に役立ちそうな経験や能力を把握していきます。一方相談者は何万時間もの人生を過ごして来ています。因みに20歳の方で約十七万時間です。20歳の方と五十時間相談したとしても約0.03%の時間を共有したに過ぎません。そのように短い時間で適職を見極めるのは難しいことです。キャリアカウンセラーの中にはちょっと話を聞いただけで「この人はこういうタイプ、だからあんな仕事には絶対就けない、あの人はああいうタイプ、・・・・」と分類したがる人がいます。カウンセラーは科学者のように対象を分類するのが仕事ではありません。(とは言え心理学的な知識、社会経済学的な現状認識は有用です)また相談者が実はとても重要な情報を持っているのに自分でも気づかないので話されないという場合も意外とあります。

 私たちは相談者の就職が決まると問題が解決したように感じがちですが、そうではないはずです。(自戒を込めて書いています)そういった錯覚をしてしまうのはもしかしたら、キャリアカウンセラーの仕事が患者の病気を治す医師と似たように感じるからかもしれません。悩みを抱える相談者の話を伺って悩みや職歴(主訴や病歴)を理解し、適職(処方)を検討し、本人の自己決定により応募(手術や薬)を選択するプロセスは医療に似ています。時には就職後にお礼を言われるのも病気が治癒した患者さんから謝辞を頂くのと同様の喜びを感じるでしょう。
 
 一方治療の進み具合がはかばかしくない時、本人も医師(キャリアカウンセラー)も「こんなはずでは」と悩むでしょう。その時に私たちが「無理だねこれは」と諦めたらどうなるでしょう?たとえ未経験の職種や難しい条件であっても本人ができると信じる限りは挑戦を支援するのがキャリアカウンセラーの役割だと信じます。医師が「奇跡的な回復力ですね」などと本人の予想外の頑張りについて驚くことがある以上、キャリアカウンセラーも相談者の力や可能性を信じて粘り強く支援するのがあるべき姿ではないでしょうか。

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No title

マニーさん、こんにちは。

そのCLは手足の麻痺で日常生活もままならず
障害者手帳の取得も認められず、
病院、役所…多くの窓口をたらい回しにされ
障害福祉課からの紹介で私の窓口に来て下さるようになりました。
(すぐに声を荒らげて絡む、本人の態度も問題かと…)

初めてお会いしたとき、そのCLは
「もう行くところが無い。あなたは僕をかまってくれるの?」
と仰いました。

「寝たきりになれば手帳が取れると言われたから
寝たきりになるまで働くしかないんですよ!」


手帳取得が主訴なのか?
働くしかない、が主訴なのか?

きっと違う
「働くしかない⇒働きたい」なのでは?


CLの言葉に、笑顔で私が返した言葉は
「すごくいいじゃないですか!
寝たきりになるまで働きましょう!すぐにお仕事探しましょう!」 でした。

CLは一瞬ビックリした顔をして
「〇〇さん、ひでぇな~、他人事だと思って!」 と。

私は
「だって他人事だもん。でも本気です!一緒に闘いましょう!」と。

その後、二人で大笑いしました。

それから、CLの「魂の力」を信じ続けて約半年が過ぎ…
昨日、採用通知が届きました。


「本人ができると信じる限りは挑戦を支援する」


本当にそのとおりだと思います😊

No title

tamaさん

投稿ありがとうございます。
どこにも、誰にも相手にされず荒んだ気持ちになっていた人との出会い。読んでいてドキドキしました。どうなるんだろう、って。

 「だって他人事だもん。でも本気です!一緒に闘いましょう!」

この一言はCLが全く想像していなかった提案でしたね。素晴らしい去私対座をされましたね。

 とても勉強になります、ありがとうございます。
プロフィール
ようこそいらっしゃいました。 キャリアカウンセラーのマニーです。 このサイトでは主に「働くこと」について色々な観点から考えたいと思います。ご意見お待ちしています。

マニー

Author:マニー
今西穂高
埼玉県在住

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